長く看護師を続けるためのワーク・ライフ・バランス

最近、様々な業界で「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が聞かれます。日本看護協会でも、看護師の離職防止、職場定着促進を目指して、ワーク・ライフ・バランスの実現を提唱しています。多彩な勤務形態を導入することで、少しでも長く働き続けられる環境づくりを進めていこうというものです。

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潜在看護師の再就職支援が活発化している

約55万人の潜在看護師を呼び戻す

いま日本で、資格を持ちながら仕事に就いていない「潜在看護師」は55万人以上いると言われます。これは何と、有資格者の3分の1にあたります。

せっかくの資格を眠らせているのは、本人にとって惜しいのはむろんのこと、医療界全体の大きな損失でもあります。看護師不足が深刻化している現在、これらの人材を眠らせておくのはもったいない話で、少し前から「潜在看護師を現場に呼び戻そう」という動きが盛んになってきました。

しかし、単に再就職を促すだけでは、ものごとは解決しません。看護師達は、それぞれやむを得ない理由があって退職したのです。その離職理由への対処を怠れば、いったん復職しても、またすぐ離職してしまいます。

グラフを見れば分かるように、最も潜在看護師が多いのは30歳代。就業している人の割合は、30歳代前半・後半共に70%を切っています。ちょうど子育ての年代にあたり、仕事と家庭の両立の困難さがうかがえます。ですから、子育てしながら働ける環境づくりが欠かせません。また、勤務時間の長さや夜勤の負担が離職理由になっている人も多いので、そういった面の配慮も必要です。つまり、ワーク・ライフ・バランスを考えた「働き方の選択肢」を増やすことが、潜在看護師の復職支援にもつながるわけです。

資格を持った看護師に対する、就業している看護師の割合

多彩な働き方で『よりよい仕事』を

もうひとつ、大切なことがあります。いったん離職した看護師は多かれ少なかれブランクがあり、前と同じように働けるかどうか不安を持っています。医療の知識や技術は日進月歩ですから、それも当然と言えるでしょう。実際に、ちょっとブランクが長くなると、新しい医療機器の前で立ち往生する、新しい知識やクスリの話がまるで分からない、といったことが起こります。点滴や採血といった基本的な行為でさえ、手が震えたりするそうです。

そこで各地の看護協会や医療機関などでは、再就職のための研修を実施するようになりました。その内容は様々ですが、大枠は講義と技術実習だと考えればよいでしょう。看護師として働く自信を自信を取り戻すために、基本的な知識と技術をおさらいするわけです。

個々の教育プログラムを組む病院も

病院によっては看護師が復職する時、看護の仕事を細かくリストアップした「チェック・シート」を渡しています。「これはできる」「これは不安がある」と自分でチェックしてもらい、復職支援担当の看護師がそれを見て、個々に教育プログラムを組むのです。中には「ほとんどの仕事はOKだが、電子カルテの使い方が分からない」という看護師もいて、そういう人に対しては1対1で、電子カルテのレクチャーが教育の中心になります。

出産や親の介護、自分の勉強などで仕事に多くの時間を割けない時期は、それに合わせた働き方を選べる。どうしても離職せざるを得なかった時も、安心して復職できる。--そんな体制が、日本全国でいま、徐々に整いつつあります。

※看護師・看護学生のための就職・転職応援ブックcheer!より転載

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